研究所概要

本研究所は、成人の自閉症スペクトラム(1)と注意欠如多動性障害(2)を主な対象として、質問紙調査から最新の脳科学研究にいたるまで、発達障害に関する幅広い臨床研究をおこなっています。臨床の現場として国内最大規模の成人発達障害専門外来と、成人発達障害当事者のデイケアが、当研究所の活動を支えています。専属のスタッフは、精神科医、臨床心理士、脳科学者、コンピューターサイエンティストなど多岐にわたり、それぞれが専門知識を生かしつつ、研究チームとして連携することで、発達障害に関する総合的な理解を目指して努力しています。

発達障害の原因と考えられる脳の特徴を解明するため、脳科学(神経科学)の分野には特に大きな力を注いでおり、最新の3テスラMRI装置を導入して、発達障害の脳画像研究を推進しています。MRI以外にも、脳波計や経頭蓋磁気刺激(TMS)装置、視線方向計測器(アイトラッカー)など、脳科学の最新の知見と技術を駆使した研究をおこなっています。当研究所は、2013年度から文部科学省が主導する「脳科学研究推進プログラム」において、「BMI技術を用いた自立支援、精神神経疾患等の克服に向けた研究開発」に参画しています。この活動を通して、発達障害研究に関して臨床医学と脳科学、コンピュータ科学を融合させ、国内のみならず世界的にも例をみないオリジナリティの高い研究に取り組んでいます。

このような発達障害そのものの基礎的、医学的な研究にとどまらず、2014年からは、文科省の共同利用?共同研究の「発達障害研究拠点」としての認定を受けました。これは、発達障害に特徴的にあらわれる社会性の障害に着目して、より広く人間の人間たる根幹たる「社会性」に関する文理融合型研究を全国的に推進しようとするものです。この活動により、本研究所を脳科学?教育学?人文社会学を含む全国の研究者や大学院生に解放し、学際的なアプローチをおこなうことで、発達障害研究を軸とした新しい人間科学分野を創出するとともに、次世代の育成を意識した研究を目指していきます。

(1) autistic spectrum disorders(ASD)
(2) attention deficit hyperactivity disorder(ADHD)

発達障害医療研究所01
発達障害医療研究所02

体制

昭和大学発達障害医療研究所 体制

本研究所の役割

昭和大学発達障害医療研究所 本研究所の役割