ふだんの食事にもっと活用したい乾物の栄養パワー!

テーマの解説

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昭和大学横浜市北部病院
栄養科 管理栄養士
吉田 麻里子

乾物は、日本の食卓には欠かせない伝統食材です。
食材を乾燥させて水分を抜くことで、細菌などの繁殖を抑え長期保存を可能にした、優れた保存食品でもあります。

また乾物のおいしさは、その特有の香りや凝縮されたうま味、食感にあります。最近では、干し椎茸のビタミンD、ひじきのカルシウム、切り干し大根の鉄分など、すぐれた栄養パワーも注目されています。もっと料理に活用したいけれど調理方法がわからないという人もたくさんいるでしょう。

そこで今回はふだんの食事に取り入れるために、乾物の選び方と、簡単なレシピをご紹介します。

「乾物の保存方法」
乾物は高温多湿と直射日光が苦手なので、密閉できる缶や瓶などに入れて乾燥した冷暗所で保管しましょう。とくに梅雨の間に湿気を帯びてカビが生えることもあるため、梅雨や夏場の保管は冷蔵庫の方が安心です。

「乾物の選び方と栄養」
【高野豆腐】
豆腐を凍結乾燥させたもの。黄褐色できめ細かく、新しいものを選びましょう。最近は戻す手間のいらないタイプも。たんぱく質をはじめビタミンやミネラルをバランスよく豊富に含む食材です。

【昆布】
幅が広く、甘味の強いものから順に真(羅臼)昆布、利尻昆布、日高昆布に分類されます。家庭でだしに使うなら利尻昆布、日高昆布が手ごろです。黒か濃緑がかった褐色で肉厚のものを選びましょう。

【切り干し大根】
明るいあめ色のものが良いでしょう。白すぎると漂白してあることも…。乾燥させることで、カルシウム、鉄分やビタミンB1?B2などが増加します。

【干し椎茸】
中くらいの大きさで形が整い、裏が淡黄色~乳白色の軸の短いものを選びましょう。ビタミンDが豊富ですが、日光で干したものでなければ効果はありません。いまは電気乾燥が多いので、ビタミンDを期待するなら戻す前にしばらく日光に当てると良いでしょう。

【干し貝柱】
薄べっこう色で形にくずれがなく、よく乾燥しているものを選びましょう。

【ひじき】
黒く、光沢があり、長さや太さがそろっているものが良いでしょう。食物繊維、ビタミンA、亜鉛やマグネシウムが豊富です。

【豆】
大豆、あずき、うずら豆など種類が豊富。粒がそろい、つやがあり、虫食いのないものを選びましょう。大豆は古くから「畑の肉」と言われ、肉や魚に劣らず良質なたんぱく質が豊富です。