初年次体験実習レポート
9月上旬頃から約2週間にわたり、学部混合のグループ学習「初年次体験実習」が行われます。施設実習や病院実習など他学部生とのグループワークをとおして、早期からチーム医療マインドと幅広い視野を養うことを目的としたカリキュラムとなっています。「初年次体験実習」を体験した先輩たちのレポートを紹介します。
病院実習レポート
医療者にとって必要なコミュニケーション能力とは
保健医療学部看護学科 小林 菜々
初年次体験実習は9月2日から20日にかけて行われ、そのうち1日が病院実習でした。4学部混合の5人でグループを組み、医局?薬局?病棟?リハビリテーションセンターで体験実習を行いました。
実際の現場に立つことで、今までは患者として、あるいは第三者的な視点でしか見えていなかった医療の世界を、初めて医療者という立場から考えることができました。また、ここでの学びは、"たわいのない会話"がどれだけ大切かということです。たわいのない会話は、日常の些細な出来事や、患者さんの趣味などを話すことで、その場を和やかな雰囲気にすることができます。これは、患者さんにリラックス効果をもたらすことはもちろんですが、医療者にとっても、治療方針を考えていくうえで重要な情報源となります、例えば、患者さんの趣味を取り入れたリハビリを行うことや、患者さんの性格に合ったケアが可能になるなど、より良いサービスが提供できるようになります。そこで私たちは、単に知識や技術を身につけるだけでなく、非言語的なものも含めたコミュニケーション能力が不可欠であることをあらためて実感しました。
初めての実習は、不安や戸惑いも多々ありましたが、私たちを快く受け入れてくださった患者さん、病院のスタッフの方々や昭和大学の先生方の丁寧なご指導のもと、今回の実習を有意義なものにすることができました。みなさま、どうもありがとうございました。
BLS?救急法講習レポート
救急時のチームワークの大切さ
薬学部 松田 佳奈子
初年次体験実習期間の1日を使って、救急法実習と心肺蘇生実習を行いました。 私は以前、目の前で人が倒れた状況に遭遇したことが数回あります。そのときはまだ幼く知識もなかったため、何もできなかったことに悔しさを覚えました。この経験から、心肺蘇生をはじめとした救急法に強い関心を持っていたため、より一層気を引き締めて実習に臨みました。
救急法実習では出血を伴う怪我や骨折などの応急処置を三角巾とガーゼを用いて行う方法を、主に学びました。また、毛布を使って傷病者を運ぶ方法も教えていただきました。
心肺蘇生実習では、心肺蘇生の一連の流れや、窒息をした傷病者に対する応急処置の仕方を主に学びました。実際に傷病者の発見から救急車が来るまでを想定し、救急車の平均到着時間の間を班員と協力して、絶えず心肺蘇生を行うといった実践に近い実習内容でした。また、窒息に対する応急処置も練習しました。 救急法実習も心肺蘇生実習も一人だけで行うことは難しく、多くの人の協力が必要です。チームワークの大切さを一層強く感じました。今までは、こうした救命行為に踏み切る自信がありませんでしたが、これからは傷病者に対して率先して手当や心肺蘇生を行いたいと思えるほどの自信がつきました。
施設実習レポート
現場でふれた多種多様なコミュニケーションとその重要さ
保健医療学部看護学科 中島 千尋
私が初年次体験実習で実習を行った先は、障がいを抱えた方が将来、自立して生活?就職ができるようになるための訓練施設でした。そこでは自分の心情を言葉にするということや話すということが困難なために、うまくコミュニケーションをとれない利用者の方が多くいらっしゃいました。
初めは不慣れな環境と利用者さんと接することに戸惑いを感じてしまい、積極的にコミュニケーションとることができませんでした。しかし、スタッフの方々の対応の仕方を見たり、自身で利用者さんの視点に立って気持ちを考えようとしたりするうちに自分なりの接し方が見つかったように思います。それは"コミュニケーションの手段は無限大"で"気持ちは相互の伝えたい、受け取りたいという想いがあれば通じる"ということ。施設長さんからも"相手と接するときは自分のものさしではなく、相手のものさしに合わせて考える"ということが大切であると教えていただきました。つまり、"障がいを一つの個性"と捉えて、同じ視点で生きることが重要なのです。
まだまだ施設のスタッフの皆さんのような自然な対応はできませんが、ここで学んだことを日常生活に活かしていきたいと思っています。お世話になったみなさま、どうもありがとうございました。