放射線技術室

放射線技術室ではX線撮影レントゲン、嚥下機能検査を行っています。 運用は診療放射線技師2名で行っており、我々は放射線技術の専門知識を生かし、被ばくの低減、診療上有用な撮影ポジショニング、医師が求める画像とは何かを常に考え、診断に有用な画像を提供することを心がけながら、日々業務にあたっています。

使用検査機器

  • X線撮影装置 : DHF-155H  富士フイルムヘルスケアシステムズ
  • 外科用イメージ装置 : SIREMOBILE Compact L-1  シーメンス
  • ポータブル撮影装置 :Mobillet+  シーメンス
  • PACS : 富士フィルムメディカル synapse
※各1台

特色

当院でのⅩ線撮影は大きく分けると、胸腹部撮影、骨撮影があります。
骨撮影の中で肩関節(25件/週)、膝関節(32.5件/週)が他の撮影に比べ多い撮影です。

Scapula-45撮影

肩関節の腱板機能評価を行うScapula-45撮影は当院スポーツ整形外科が考案したX線撮影法です。
X線画像上では直接描出されにくい筋肉や腱を、骨の動き方や位置関係を見ることで腱板機能を診断しています。肩甲骨などの動きを補正するインナーや通常X線画像に障害物として写るブラジャーを外さずに撮影を行うのも特徴です。
この検査法はプロ野球選手等のメディカルチェックにも使用されており、肩関節疾患に悩む患者さんの診断に有用な検査です。この撮影法の詳しい内容はこちらのアドレスをご参照ください。
https://ci.nii.ac.jp/naid/10030139475
放射線技術室1

ストレス撮影を用いたX線撮影

  • 膝前十字靭帯損傷評価
ストレス撮影(*)を用いた膝前十字靭帯損傷評価のX線撮影も頻度の多い撮影です。
放射線技術室2
ストレス装置を用いてふくらはぎ部分を押すことで、前十字靭帯の損傷を評価します。膝前十字靭帯は脛骨が前方へずれることを防ぐ役割を果たしているので、図の右膝のように靭帯が損傷していると脛骨が反対の膝と比べ、前方へと押しだされます。
検査は両膝で行い、左右を見比べることで簡便に前十字靭帯の損傷具合を評価することができます。

*ストレス撮影とは
文字通りストレスをかけた状態で撮影されたX線撮影のことで、徒手または器具で圧力をかけ、靱帯の損傷によって生じる骨のズレをあえて生じさせた状態でレントゲンを撮ります。

放射線技術室の紹介と、ここで行われている特長のあるX線撮影を紹介いたしました。
放射線に関するご質問がありましたら、お気軽におたずねください。

嚥下機能検査

嚥下機能検査とはX線透視下でバリウムの入った食べ物(嚥下検査食)を飲み込んでもらい、透視画像で嚥下状態を見る検査のことです。この検査で以下のことを評価します。

  • 口に食べ物を入れてから飲み込むまでの過程を観察することができます。
  • 外からはわからない誤嚥を観察することができます。
  • 嚥下障害の確認や、誤嚥しにくい食べ物、体勢を決めるために必要な情報が得られます。
  • 硬さやとろみがさまざまな嚥下検査食を食べることで、嚥下障害の度合いを評価します。
  • 嚥下機能検査は誤嚥を正確に評価できる検査の一つです。

当院では、リハビリテーション科医師、栄養士、言語聴覚士、診療放射線技師の4職種が協力し合い検査を行っています。
嚥下機能検査嚥下検査食
【上段左から】コーヒーゼリー、ヨーグルト、バリウム飲料、ケチャップ
【下段左から】スクランブルエッグ、ゆかりのおかゆ、魚のすり身
【リハ放技】透視画像透視画像