歯内治療科

お知らせ

診療科紹介

鈴木-2024診療科長
鈴木 規元
当科では一般外来患者さんおよび近隣の歯科医院からの紹介患者さんに対し歯内治療(根管治療)を専門に行っています。う蝕(虫歯)が進行した歯であっても、根管治療によって歯根を保存した上で冠をかぶせることにより、永く機能させることができます。適切な根管治療を行うことは、歯を保存するために非常に重要ですが、根管は複雑な形態をしており、また直視することが困難なため、治療が難しくなることも少なくありません。当科では、通常の根管治療に加え、根管治療をくり返しても治りにくい難治性根尖性歯周炎の治療や、歯の保存が可能かどうかの診断等の依頼を、近隣の歯科医院から受け入れ処置を行っています。実体顕微鏡や歯科用CTを併用することにより、従来の方法では把握困難であった根管内外の問題を発見し、保存の可否の診断を含めた精細な治療が可能となっています。

診療体制

日本歯科保存学会、日本歯内療法学会を中心とした歯内治療を専門に行う歯科医師で診療を行っております。

治療方針

歯髄炎(進行したむし歯)の治療

むし歯が歯の奥深くまで進行すると、歯髄組織 (いわゆる”神経”)にまで細菌感染します。
ここまで、むし歯が進行した歯では歯髄の保存は不可能となります。
そこで、感染歯髄を除去し、歯髄組織が入っている管 (根管)をできるだけ無菌状態にして、封鎖する治療を行います。

根尖性歯周炎(歯の根の先の炎症)の治療

すでに歯髄が死んでしまっている歯において、根管を通じて細菌感染が根の先の部分に及び、ここに病変ができたものを根尖性歯周炎といいます。このような歯に対しても、歯髄炎の治療と同様、感染歯質を除去し、根管をできるだけ無菌状態にして、封鎖する治療を行います。

外傷歯(ケガをした歯)の治療

転倒や衝突などで、歯をケガした場合、早急な処置が必要な場合があります。
歯が欠けた、グラグラと動いている、完全に抜け落ちてしまった等の症状がある場合には、すみやかに来院されることをおすすめします。

歯根破折(歯の根のひび)の診断

根管治療に際し、歯の根にひびが入っている、もしくは割れていることが確認された場合、残念ながら抜歯の適応となります。

特徴的な診療領域

1)実体顕微鏡を用いた歯内治療

歯科用実体顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯内治療では、暗くて狭い環境にある根管内を、“光”と“拡大”により“可視化”することにより、肉眼では確認できなかった微細な解剖学的構造や感染源を明らかにし、より確実な治療を進めていけることが特徴です。現在当科には7台の実体顕微鏡が設置されており、必要に応じて使用しております。かかりつけ医で難治性根尖性歯周炎と判断され、治療期間が長期に渡っているケースに対し、実体顕微鏡を使用することにより、難治性の原因究明の一助とし、確実な診断、処置を行うことが可能となりました。

2)歯科用CTを併用した難治性根尖性歯周炎の診断

従前のデンタルⅩ線写真を使用した画像診断では、詳細な構造の読影は困難でありました。歯科用CTを用いることにより得られる3次元画像から、周囲の骨の状態、病変の広がりや根管の形態を把握し、より詳細な診断を行うことが可能となりました。

3)X線CT画像診断に基づく実体顕微鏡を用いた歯根端切除手術

 歯根端切除術とは、通常の根管治療では治癒しなかった歯や、通常の根管治療を行うことのできない歯に対して、外科的に感染部位を取り除く手術です。歯科用CTによる3次元的な診断の上で実体顕微鏡を用いて手術を行うことにより、微細な構造を確認しながら、より精細で外科的侵襲の少ない処置ができるようになりました。歯肉を切開した痕も、ほとんど気にならない状態にまで回復します。
歯内治療科01実体顕微鏡を用いた歯内治療
歯内治療科02実体顕微鏡により拡大視野下での治療が可能となる。

診療実績

歯内治療科

主な対象疾患

  • 歯髄炎
  • 根尖性歯周炎
  • 外傷歯
  • 歯根破折の診断

スタッフ紹介

医師名役職資格
鈴木 規元教授?診療科長特定非営利活動法人 日本歯科保存学会認定 歯科保存治療専門医?歯科保存治療指導医 
浦羽 真太郎
助教?診療科長補佐
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会認定 歯科保存治療認定医
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会認定 歯科放射線准認定医?歯科用CBCT認定医
馬場 聖
助教
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会認定 歯科保存治療認定医
池田 めぐみ
助教

大竹 開
助教(歯科)
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会認定 歯科保存治療認定医
片山 卓也
助教(歯科)
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会認定 歯科保存治療認定医
齋藤 彩
助教(歯科)
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会認定 歯科保存治療認定医
三木 優
助教(歯科)

大西 孝政
助教(歯科)

黒田 夏樹
助教(歯科)

酒井 敦史
助教(歯科)

近江 京香
助教(歯科)

大学院生 7名
2024年10月1日 現在

外来担当医表

歯内治療科

医療従事者の方へ

研究内容

近年歯の保存の需要は非常に高まっており、歯内治療学の重要性が見直されているため、研究分野は多岐にわたります。当講座では臨床分野と基礎分野の両面から研究を行っており、臨床分野では、歯内治療におけるデジタルデバイスの応用や、画像診断に関する研究を、基礎分野では基礎歯学講座にご協力いただき、歯髄及び根尖歯周組織の病理学?免疫学?薬理学的研究や、感染根管に関わる微生物に対する研究など多方面から研究活動を行っております。

医療連携?紹介制度について

当科では通常の根管治療では治癒困難な症例につきまして、実体顕微鏡を用いて精密な根管治療を行います。
また必要に応じて歯科用CTによる精査も可能です。診断や治療にお困りの症例がございましたら、紹介状にこれまでの経緯およびご希望の治療内容をご記載の上、ご紹介いただければ幸いです。
根管治療が終了いたしましたら、通常は紹介元の医療機関に戻っていただき継続治療をお願いしています。
現在、大変予約が取りづらくなっており、治療期間が長くなってしまうことを何卒ご容赦ください。

当外来の予約変更について

歯内治療科受付
 電話番号(直通):03-5498-1902

受付時間:月曜日~土曜日 9:00~16:00
休診日:日曜日、祝日、創立記念日(11月15日)、年末年始