eICU

センター紹介

遠隔集中支援(Tele-CriticalCare;TCC)は最近注目されている遠隔医療の一つです。集中治療専門医が不足している現状を踏まえ、複数のICUをネットワークで接続し、患者情報を現場から離れた支援センターにいる集中治療専門医が閲覧し、現場ICUのスタッフや患者と双方向通信でつなぐことで支援するものです。昭和医科大学ではTCCをアジアで初めて導入し、Showa eConnectと名付け2018年4月から運用を開始しました。
2018年度から2023年度までの6年間で27,974名の成人集中治療患者の診療を支援してきました。2025年3月からは新たに神奈川県小田原市にある小田原市立病院の集中治療室を支援しています。
          eICUセンター長
           小谷 透

診療体制

旗の台の大学病院内の3つのユニットと15km離れた江東豊洲病院ならびに横浜市にある藤が丘病院と横浜市北部病院、さらに神奈川県小田原市にある小田原市立病院のICUが支援センターと接続されており、全112のICUベッドの治療をサポートしています。支援センターには、集中治療科医師と看護師、医師事務補助者の3職種が勤務し、システムが生体情報を収集?自動解析し提供する様々な診断支援アプリと高解像度カメラと音声装置を駆使し現場から収集した情報を総合して、重症患者の病状変化や治療効果の評価を行いながら、主治医チームを24時間体制で支援していきます。支援スタッフはいずれも集中治療の専門知識や経験が豊富な医療者で構成されています。

診療方針

継続的、予防的、オンデマンドを合言葉に、生体情報データ、医療記録から得られる情報、システムが自動解析する評価指標、画像情報などから総合的に判断し、治療を24時間体制で支援します。また、患者見守りにより現場スタッフの業務負担を一部支援したり、合同カンファレンスに参加し治療方針や診断支援を行います。

主な対象疾患

昭和医科大学病院のC6ICU、C5CCU、N2ICU?CCU?SCU、救命ICUと江東豊洲病院のICU、ER、横浜市北部病院?藤が丘病院ICU(2023年より)、小田原市立病院(2025年3月より)のICUに収容する全ての成人患者。
特に、大手術後、敗血症、急性臓器不全(脳卒中、心不全、呼吸不全、腎不全、感染症など)。

タッフ紹介

医師名役職専門分野資格
小谷 透
センター長
特任教授
集中治療
人工呼吸
学会認定集中治療科専門医、日本麻酔科学会指導医、日本呼吸療法医学会呼吸療法認定医

阿部 智一教授
診療科長
集中治療
救命救急
学会認定集中治療科専門医、救急科専門医?救急科指導医、プライマリ?ケア認定医、日本DMAT隊員
渡辺 太郎講師
診療科長補佐
集中治療
救命救急
小児
学会認定集中治療科専門医、救急科専門医、日本小児科学会指導医、PALSインストラクター
入山 大希
講師
集中治療
救命救急
学会認定集中治療科専門医、救急科専門医、日本内科学会認定医、JMECCインストラクター
喜久山 和貴助教
病棟医長
集中治療
救命救急
小児
学会認定集中治療科専門医、救急科専門医、日本小児科学会専門医、PFCCSインストラクター、NCPRプロバイダー、日本呼吸療法医学会呼吸療法認定医
五十嵐 友美
助教麻酔日本麻酔科学会指導医、日本DMAT隊員
森 麻衣子講師(江東豊洲病院)集中治療学会認定集中治療科専門医、日本麻酔科学会指導医、日本リハビリテーション学会専門医

医療従事者の方へ

診療実績

eICUの運用開始前後の比較研究では、ICU生存率、ICU滞在期間、病院生存率について、統計学的に有意な改善が見られました。また、医師の業務改善にも貢献しています。
詳細は日本集中治療医学会機関誌 journal of intensive Care 2023;11:9をご覧ください。

登録患者数

2018年度   3547名
2019年度   3569名
2020年度   3334名
2021年度   3784名
2022年度   5752名
2023年度   7988名
2024年度   9163名